お客様をお迎えしての感想
※今日は備忘録的な感想です。今の素直な気持ちを書いていますので、
多少読みにくいかも知れません。
お客様にお泊りに来ていただき、お帰りなさいました。
1日1組限定で、お一人様10万円をいただく旅館。
今時、ホームページでしか予約が出来ない不便な旅館。
広告もしていないので、知名度は、ほぼゼロ。
そんな中でも、ご予約をして来てくださったお客様。
もう、もう、こういう風に文章を書いていても、ありがたくて涙が出てきました。
お迎えする何日も前から、この日の為に、お客様に心から喜んでいただける様、
精一杯準備して、お掃除して、お庭を整備して、全てをピカピカにしてお待ちしていました。
そしてお客様のご来館。
お車が見えた時は、それだけで気持ちが高鳴りました。
お荷物を預かり、宿のご案内、適温で準備した温泉をお勧めして、まずはホッと一安心。
お客様がくつろいでいる間に、お夕食の準備。
美味しいと言ってもらえる様に、心を込めて準備したお夕食をお出ししていきます。
皆さんの談笑が聞こえてきました。
良かった、楽しんでくれている。安心したのもつかの間、また料理に戻ります。
味はいかがかな、量は足りているかな、ラウンジは楽しめているかな、
料理に集中していながら、どうしても気になってしまう・・・。
それでも、美味しかったよ!と言っていただいた時は、全身の力が抜けていく様な、
涙が出そうになる位、幸せな気持ちでした。
食後、お客様に交じって歓談させてもらい、また幸せな気分。
真夜中までお話してしまい、ちょっと反省でも幸せ。
翌朝、予定よりかなり早く目が覚める。
もう寝てなんかいられない、ぱっと飛び起きてまた準備。
起きていらしたお客様に、お布団の寝心地はどうだったかな、
くつろげたのかな、お部屋は寒くなかったかな、気になる事は山ほどあったけど、
ぐっと我慢して、朝食に心を込めてご準備。
ただ、慌てていたのかな、やってしまいました。
どうしても食べて頂きたかった炊き込みご飯、最高のタイミングでお出ししたいと思うあまり、
蒸らしの途中で蓋を取って見てしまうという暴挙。
普段だったら、というか一度だってやったことが無いのに、
この日は我慢できませんでした。
結果、食べられなくはないけど、食感が悪く出来栄えは普段の半分以下。
これではお客様にお出し出来るはずもありません。
素直にお話をして、お客様には白米を食べていただきました。
「ご飯おいしいね」と言ってくださった優しさが心に沁みました。
次は必ず美味しい炊き込みご飯をご用意致します。
1日1組の宿で自由に過ごせた事を褒めていただき、
お庭の散策を楽しみ、ウッドデッキで鳥を眺めて、とんぼと遊んで写真を撮って、
温泉に入って、のんびりテレビを眺めて・・・、お客様の楽しそうなご様子を聞くたびに、
自然と笑みがこぼれて、改めて思う。
ああ、本当にこの宿を作って良かったな、と。
私は、お客様に喜んでもらう為にこの宿を作りました。
でも、お客様と同じかそれ以上に、私も幸せをもらっているという事に、気づかされました。
凄く幸せな1泊2日でした。
世の旅館経営の先輩方からは、「今頃そんな事気づいたの?」と笑われる内容だと思います。
そんな当たり前の事にも気づいていない私でした。
それを教えてくださったお客様にお会い出来て、私は本当に幸せ者です。
ありがとうございました。また会える日を心から楽しみに頑張ります。